2.鉱石ラジオの実験Ⅴ  (バリコン)

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鉱石ラジオの実験Ⅴ バリコン

缶ビール鉱石ラジオ

コンデンサーは2枚の板で作られています.
この板の大きさや隙間の間隔を変えるとコンデンサの容量が変わります.
右図はエアーバリコンの構造を説明した物です.バリコンの構造
エアーバリコンは誘電体は空気です,何層に見える板は導通となっていてスペース効率を良くしていますが,電気的には2枚の板で作られています.水色1枚と黄色1枚です.
鉱石ラジオの実験Ⅴ はこのバリコンを作り鉱石ラジオの同調回路に利用してみます.
検波にはゲルマニュウームダイオードを利用して実験を進め最後に鉱石検波に変更します.

今回実験に使う材料は身近にあるアルミ缶とペットボトルです.
アルミ缶はとても薄くハサミで加工できますが,缶を切り出すとペラペラの紙のようになります.バリコン構造アルミ缶
ペラペラのアルミを意図した形状にするためにペットボトルに張り付けて利用します.

今回も仮設で実験します.

仮設は板の上に虫ピンを立てて配線を固定します.

材料は次の通り

1. 板  試作台

2. 虫ピン 配線留め

3. エナメル線 0.4mm 15m x 1個 同調コイル用

4. 缶ビールの空き缶 缶ジュースでもOKです 直径65mm 高さ120mm 350ml 2個

5. ペットボトル直径63mm 2個  台所ラップの芯直径30~33mm (同調コイルの芯用)

6. LM386 D級アンプと 乾電池2本 

7. 小形スピーカー

8. 1N60(*) と 鉱石

(*)最初はゲルマニュームダイオード1N60で進めます.

ゴール近くなったら方鉛鉱に置き換えます. 

■ 缶ビールの加工について

加工は工作用ハサミで加工できます.
切り口はとても薄いので指先を傷つけないよう注意しましょう.

缶ビールの外面と内面は表面処理がされていて導通しません.
底面の外側は導通があります.
切断面は導通があります.
リード線の接続はビスナットで行い接続面の塗装を剥がして接続します

 

(1) Ⅴ章の試作品1

缶ビールバリコン鉱石ラジオ試作品1缶ビールバリコン鉱石ラジオ試作品1

試作品1は缶ビールを2組利用して上下(エレベーター)に移動して容量を可変する方式にしました.
内側の円柱は缶ビールを図のように切り63mmのペットボトルに貼り付けます.
外側の円柱は缶ビールを8cmの長さで切断します.

回路図は図 に示す一般的な鉱石(ゲルマ)ラジオです.
鉱石ラジオ回路図
収録用スピーカー鳴らすためにLM386と乾電池2個とスピーカーを付けています.

缶ビールバリコンの構造

外側の缶は直径65mmそのまま利用し 内側に入れる缶は直径63mmのペットボトルに巻き付けて利用します.
貼り付けはセロテープで貼り付けますが,アルミ缶の切断面が触れないようにセロテープで保護します.
缶ビールバリコン構造2

内側の缶が全て入った状態で 450pF 抜けた状態で 25pF でした.

コイルはラップの芯にエナメル線を15m 全て巻きますと250µFのコイルとなります.
LC共振回路を計算すると
コンデンサ 400 pF コイル 250µF 共振周波数 503.294kHz
コンデンサ 50 pF コイル 250µF 共振周波数 1423.525kHz

それではこの試作品1で実験してみましょう.YouTube動画をご覧ください.

試作品1の課題と対策
動画をご覧頂くと分かりますが,中筒がグラグラしていて同調が取りにくくなっています.

(2) Ⅴ章の試作品2

試作品2試作品2はペットボトルにプリント用紙を一枚巻いて内径を少し太くしてから内缶を巻いてみます.
紙の巻き込みやアルミ缶の巻き込みはセロテープで行います.
内缶と外缶は直接接触してしますがアルミ缶が表面加工処理されているため直流的な接触はありません.

試作品2 の動画をご覧ください.

試作品2の課題と対策
試作品1も同じですが上下に移動させる必要があり操作性に課題があります.

(3) Ⅴ章の試作品3

試作品3試作品3は外と中に入れる缶を横方向に分割し,中の缶を回転させて容量を変化させます.
外缶も加工するためそのままではヤワヤワなため外缶もペットボトルで補強します.

缶ビールバリコン試作品3の構造

試作品3 の動画をご覧ください.



 

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