六合村移動運用報告です/7L3ATQ 

7L3ATQ 岡本 博

 連日の大雨が収まりようやく秋の気配が漂い始めたこの頃ですが皆様如何お過ごしでしょうか。

 いつものにATQ、OVB国原コンビに加えて久々の若手YPD(東芝 本社ビルAMC)のエース7M3HUP和智さんの参加を得て吾妻郡六合村に移動運用して来ました。

 とここまでは快調ですが結果は散々、VUは惨敗、HFはまあまあ。

最近移動運用記を書くと必ず交信局数を稼げなかった原因分析(早い話が言い訳)をくだくだと書くことになり滅入っていまいます。

ウーン やはり携帯には負けるなあ……

 9/15待望の3連休 5:10に多摩市の自宅をいつもの“動くシャック”に無線器材を満載して出発。(え!いつもガラクタを積みっぱなしじゃないかって?すいません その通りです。何しろ7人乗りのデリカに3人しか乗れないもので…・。)

 高島平の国原邸に 6:30頃到着 途中連絡用に決めていた2Mでいくら呼んでも応答なし、しかたなく携帯で呼び出せばすぐに応答がある。
まったく無線屋がこれだからVUが減る訳だと朝から反省!。

7:00過ぎに高島平を出発、交通情報によると関越道は早朝にもかかわらず既に入り口で12kmの大渋滞、それならば川越街道経由川越ICと向うことにする。

ところがこれが大失敗、工事と事故と関越道の迂回組で新座市辺りから大渋滞で超のろのろ。
これでは7:40に高坂SAで青梅から合流するはずのHUP和智さんを待たせることになってしまう。
何とか連絡しようと助手席のOVB国原さんが約束の145連絡周波数で必死に叫べども応答無し。
念のため430で呼んでも反応なし、HUPの車載リグは5Wのハンディ機なので届かないのか。

しかたない奥の手を使おう!。またまた携帯で呼び出せば何と「今起きた所」との眠そうな返事。
前日飛び込みの出張でなんと午前2:00に帰宅とのこと。
お陰で大渋滞で約束の集合時間に1時間も遅れたにもかかわらず高坂SAでHUPを余り待たせること無く合流。

 しかし相当の無線キチと自他共に認める OVB、ATQ 組がいざとなると携帯に走るとは…。
これではスキー移動の連絡用に開局したハムがバッタリと居なくなりVUが激減した昨今の状況もしかたがありませんね。

* 渋峠は移動運用のメッカです

渋滞の川越街道で苛々しても始らない。
3連休の初日、誰か移動運用の局は居ないかと連絡用に決めていた2mでサーチしてみると居る居るなんと我々が今回の移動地に決めていた吾妻郡六合村からCQの声が。

しまった先を越されたかと思いつつ声を掛ければ新潟から来たYL3局を含む6人組。
こちらもOVBと交代で順次交信し、2000局にまだ届かないOVBは局数が一気に増えたと思わずにんまり。
念のため運用地を詳しく聞いてみると志賀高原とのこと。
やれやれ今回の目的地渋峠数km離れていて問題はない。
こうなると現金なもので「アイボール出来れば良いですね」などと気楽に話してQRT。うん!

モービル運用は助手席に書記のいる楽ちんスタイルに限る。(OVB局ゴメンナサイ!)

* 各局すみません 大遅刻でした。

 上信越道は藤岡JTの手前から大渋滞、それならばルートを変更し、渋川ICからJR長野原線添いに草津に向う。
この辺りは度重なる群馬移動で群馬県人と間違えられているOVBのテリトリー。
HUPも登山で近隣の山々に出没している。
ATQは勿論得意?の温泉探しで良く来る所。
ところが何故か突然狭い所でUターン、やはり慣れ過ぎるとナビゲーターは地図を見ず、ドライバーは標識を見ずでこの醜態。

後からついて来るHUPゴメンナサイ!!。

 最初の計画では10:00過ぎに現着し波が出るはず、岡村さんのHPにも早めの時間を書いておいたが目的地渋峠へ着いたのは13:00過ぎ。

 道路の渋滞と途中で食事をしたこともあり、草津の温泉街、硫化水素の立ち込める殺生河原を抜けて渋峠への現着は大幅な遅刻でゴメンナサイ!。
もしかする今回おなじみ局のお声掛けが少なかったのはこのせいかも知れませんね。

* おーい 誰か声を掛けてくれーーーーエ!!(無線は絶不調)

渋峠の上は霧で視界が良くない。
こんな時はUVは余り良く飛ばないが早速430FMは15E×2でOVB、145FMは10EでHUP局がCQを始めるが応答はイマイチ。
「福島県北430コンテストにログを提出するぞーー!」と張り切っていたOVB局は「こんなはずじゃなかったと」拍子抜け。

2MのHUPにいたってはたったの2局、前日の出張の疲れで居眠りが出る始末。
430で宮城が聞えたりして結構遠くまで波が飛んでいるはずなのに?。
標高2166mとても移動運用のメッカとは思えない。
7MHzをMob.Wで始めたATQも僅か19局、平日でもないのにこのスーパーロケーションでなぜ?なぜ??。
途中で145と430が交代し、更に叫んだが余り局数が延びない。
まさか借金踏み倒しの常習者の如く、「あの3人組には気を付けろ」と手配書が廻されていたのではあるまいし。
( 誰ですか?充分に有りそうだ。!などと言っているのは。!!)

最後に430FMにJF1RWZ岡村さんからお声掛けがあり、なんとかアリバイが成立したのを機に早めに撤収し、今夜の宿泊地六合村営の六合山荘に行くことにしよう。

*おかしいなあ? 六合山荘はどこだろう??

 渋峠を下り元来た道を草津まで戻る。
日本有数の温泉街を抜けて野反湖方面に向い小さな峠を越せば、そこは落ち着いた佇まいを見せる六合村の集落。
おやこんな所にも道の駅がある、あ!小さな標識に今夜泊まる六合山荘と書いてある。
よしもう少し先だなと思って車を走らせるがなかなか見付からずとうとう長野原町に入ってしまった。
えー!そんな馬鹿な??今度は慎重に標識を探しゆっくりと元来た道を引き返す。

しかし、今度も見付からずまた道の駅六合まで着いてしまう。
「しかたない 道の駅で尋ねよう」と駐車場に入ろうとしてなんとなく奥をみれば何とそこが散々捜し廻った六合山荘。
まさか道の駅にあるとは思わなかった。
やれやれ30分以上のロスは大きいが道の駅アワードは7MHzでは大人気。
よし!今夜はここでCQだとアンテナ設置場所をロケハンしてから宿にはいるATQ。

 早速温泉にに飛び込んで疲れを癒し、食堂へ。
7000円にしてはまあまあの夕食と3人で2本のビールを持て余し気味に飲んでいる図はYVTの宴会では一寸考えられない風景ですね。

* くに村ってどこですか?ろくごうむらなら載ってますけど…

 夕食後はアンテナ設営。藁葺き屋根の煙突の支柱と道路の電柱の足場を利用して7MHzのZeppを張り、ちゃっかりと屋外用コンセントまで見付けて準備万端。こういう事になるとATQは本当に目敏いのです。

 ここでまずJF1RWZ岡村さんと第一番に7MHzで交信と書きたい所だが、実は昼間渋峠で繋がった時に約束して有った通りOVBに携帯で連絡してもらい7.06付近で目出度くQSO。
あーあー又奥の手を使ってしまった。無線屋の風上にも置けない!。反省!反省!!。

でもこれが時代の趨勢だからなどとチョッピリ言い訳をして無線に没頭しよう。

 やはりここは比較的珍しい場所で道の駅になっていることもあり途切れなく声が掛る。

「移動地は何処ですか?」

「群馬県吾妻(あがつま)郡六合村(くにむら)道の駅 六合です。」

「いま地図を見ているのですが見付かりません。ろくごう村なら載ってますけど・・。」

「それでくにむらと読むんですよ。」

「へえー…。」

 六合村村史によれば明治初期の廃藩置県の時に新しい村を決めるに当たり、六つの郷を合わせて一つの村にした由。
村名を決める時、古事記に記載されている六合と書いて“くに”と読む故事に因んで命名したとのこと。

 いつの世にも博学の徒はいるもので、まさかその時には130年後のアマチュア無線家を悩ますことになるとは夢にも思わなかったことでしょう。

* やれやれ何とか格好が付いた。ホッ!!

結局その晩は1時間弱で35局、翌朝(9/16)の74局と合わせて合計109局。
VUの不調分をカバーして何とか面目を保ちほっとしたATQは遅めの朝風呂でリフレッシュしたのでした。

 朝食後道の駅が9:00に開店すると同時に中に入りスタンプの所へ直行、予め用意しておいた白地のQSLカードにペタペタとスタンプを押しに余念の無いATQ。途中からHUPにも加勢してもらいここで交信した全国の“道の駅アワード”ハンターへの義理を果たしたのでした。

* 万座峠も絶不調  アマチュア無線の将来が心配だあーー

 全国どこの道の駅もそうですがここも六合村の物産館、大根や味噌等実用的なお土産を仕入れて次の目的地万座峠へ。
今日も三人組の行いが悪いのか朝から生憎の濃霧の中を慎重に六合村→草津町→嬬恋村と車を進める。
程無く上高井郡高山村の標識が現れ長野県との県境に到着した。

ここが今日の予定地万座峠、嬬恋村-高山村の境界で0と1の境界でも有り、多くの交信が出来そうだと昨日寝る前に3局で地図を睨み物色した所。

 早速HUPが群馬側で145FM、OVB、ATQが長野側で430FM、7SSBでQRV。
しかし前日に続いてUV組は絶不調、いったいどうなっちゃたんだろう??。
7Mでお声掛けに回るATQもまあボチボチ程度。
天候が余り良くないこともあり早々にQRT。
次回の移動のロケハンを兼ねて長野道経由で帰途につくことにしよう。

*やはり信州はそばの本場です  ツルツル つるつる!

 高山村を走行中に145呼び出し周波数で突然奇麗な声のYL局がCQCQ。日頃YL局交信に飢えているとOVB局に冷やかされながらも果敢飛びつくATQ。
移動の状況の話題の後には当然ですが地元のPR、

この中で須坂市に美味しい蕎麦屋があると聞き寄り道を決めたのは当然の成り行きです。
その後OVB、HUPもつづいて交信し、少しは欲求不満を解消したことでしょう。(YL局交信に飢えているのはATQだけじゃないですよねえ!)

 須坂市内では少し迷ったものの無類の蕎麦好きATQは独自の嗅覚で程なく教えて頂いた蕎麦屋を発見。
ツルツル ツルツル とざるそば(蒸篭)2枚を僅か2分で平らげるATQ。
お代わりを頼むと売り切れとのこと。残念!やはり本物の蕎麦屋は“三たて”を実践し、直ぐに売り切れになるのは宿命と納得するATQでした。

* 大変だアー! 洪水だー!!

 美味しい蕎麦を満喫した後は須坂から上信越道に入りひたすら東京に向うだけ。
連休の天気が余り良くなかったせいか道路は空いている。

それでも岡谷JTで中央道に入り笹子トンネルを抜けた辺りからわ徐々に渋滞が始りのろのろ運転になってしまう。
天候も急激に悪くなり稲妻と伴に激しい雨が降ってきた。ワイパーもだんだんピッチを早くして前を見ていたが何となく後ろを振り返ってびっくり!!。

なんと後部座席に激しい雨漏りで床が水浸しになっている。
ええーー!!水害は名古屋地方だけじゃなかったの!!。
吃驚している場合じゃない。
床には水に弱い無線機や写真の器材が無造作に置いてある。
助手席のOVBは慌てて身を乗り出し、被災者?を高台に避難?させるのにおおわらわ。

 いやはやATQの“動くシャック”は過去に高速道でタイミングベルがバーストしたり、カムシャフトの軸受けが割れガガガーと異常音を出し結局エンジンの大部分を交換したり、話題には事欠かないのに……。

ここまで老朽化しているとはトホホホ・・。
でも何事にも懲りない塀の隣の住人ATQは次の移動運用にもきっとこの車で現れ皆様を楽しませることでしょう。

* ウーン 元がとれないないですね

 高島平へ帰るOVBを北府中で降ろし、楽しかったが何となく欲求不満の残る移動運用も無事終了。
考えてみると総交信数14局のHUP、無線の交信をお金で計るのは野暮な話ですが交通費、宿泊費で計算すると1局/千円とは…。
忙しい所を無理に誘ったATQとしてはチョッピリ責任を感じます。
でも次はもっと良い所に行きますので懲りずに付き合って下さいね。

 またまた下らない事を長々と書いて失礼しました。
最後まで読んで下さった方、本当に有り難う御座いました。

 いよいよ本格的なバードウォッチングのシーズン、また全国の珍しい所へ出掛けますので聞こえておりましたらお声掛け宜しくお願い致します。

                  7L3ATQ  岡本 博

 

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