(8) |並四ラジオと呼ぶ理由は
ラジオ放送ってどのようにして始まったのか電波は無線通信に利用され,しだいにアマチュア無線家の間でも交信されるようになりました. 私は小学校5年生でゲルマニュウムラジオを作りラジオ少年となりましたが,この頃の真空管ラジオは5球スーパーが標準となっていました. 日本でラジオ放送がどのように始まったのかを知りたくネットで調べていたら岡本次雄著のアマチュアのラジオ技術史を見つけました.目次は次の通り, 第6章のニュートロダインとスーパーヘテロダインニュートロダインとスーパーヘテロダインは電池式時代のDX用受信機の双壁でした.三極管だけしかなかった当時の高周波増幅は内部容量を中和しなければ発振してしまうし,コイルのカップルも考えなければならないから,自然にニュートロダイン方式になっています. 一方,真空管の内部容量のあまり影響ない50~200kc 付近に周波数を変換して,安定に利得を取ろうとしたのがスーパーヘテロダインです. 【ヤフオクで落札した並四ラジオのジャンク部品】 したがって原理はとにかく,セット設計に対する考え方は今日の製品とはまったく別物といえる. 」と説明されています. ニュートロダインって何?ニュートロダインは増幅装置の出力信号を逆相にして,コンデンサで入力に戻して干渉をキャンセルする方法です.いわゆる再生検波ってやつで,並三とか並四とか言われていた受信機です. 並四ラジオについて真空管ラジオで,並四ラジオは何故こう呼ぶかご存知ですか.大昔真空管が3極管しかない時代の高級4球受信機が,技術革新でペントード(5極管)ができると,並みの球(3極管)を4本使った受信機と言う事になり,これを並四と呼ばれるようになったそうです. 昭和7~8年頃と推定され,27 26B 12A 12B等(227 226 112A 112B等) が代表的な構成です. ペントードを使った受信機は3ペンとか4ペン(現在の高1相当)とか呼ばれました. したがってそれ以前には並四と同じ構成の受信機はあっても,並四とは呼びません. 時代が変わると最新の機械もすぐ普及品になってしまいますネ.5極管を使った4ペンも並四と呼んでいたように思います. がぜん並四ラジオに興味が湧いてきました. 頂きもののUX26Bとか3極管があるのですが,まずはペントードを使った再生式にチャレンジしてみたいと思いジャンク品を集めました. ヤフオクで探してみたら> ラジオ > アンティークの区分に並四のジャンク部品があり2600円にて落札しました.ケースはしっかりしていますが全面のパネルがありません.全面パネルもドリルと彫刻刀でスピーカーの穴を空けました. 彫刻刀で穴を綺麗にする作業は大変でしたが,何とか作成しスピーカーを取り付ける段になり,サランネット(布)が必要となり,Xに相談したら手頃な布を引っ張り出してくれました.感謝. ケースはニスを塗って完成です.シャーシも錆びを落とし光沢のある黒のスプレーでペイントしました. 並四の回路は複雑ではあのません.ラジオを聴くためには再生バリコンを調節しながら同調バリコンと両方調節し発信しないギリギリの点が最も感度が良い所となります. 分離もスーパーに比べるとかなり甘くなっています.放送局の数が少なかった時代は気にすることはなかったでしょうネ. この並四ラジオも真空管らしい暖かい音を出してくれます. 本当の並四は3極管のみを使うそうですので,またジャンク品を探して本当の並四を作ってみたいと思います. そうだったのか~ 温故知新は楽しいですネ.
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