(6) ハイパワー無線局の申請

30L-1による500W局の申請

ハイパワー無線局で大事な事は,ご近所付き合い,電波障害対策,ハイパワーに耐えるアンテナとアースの設備です.
ハイパワー免許になると無線局の検査があるが,ご近所付き合いが大事です.
  電波障害確認のハンコを貰う必要があります.
  そして検査当日に近所の家に上がらせて貰い検査官がTVI等の調査をすることにもなる場合もある.
とにかく「I」インターフェアー(電波障害)が出ないように対策を取ることが重要となり次の対策を取った.
  1) コモン・モード電流の対策 フィルターの工夫測定器
  2) 500W以上で使えるアンテナの整備
  3) アース対策 保安用アースとカウンターポーイズ

 1) のコモン・モード電流の対策は(5)で紹介した高周波電流計を利用しコモン・モード電流を測定しながらフィルターの効き目を確認した.

高周波電流計はアナログテスターの0.3Vレンジで使うと便利です.

30L-1
ハイパワー検査を待つCollins 30L-1 リニアーアンプ

送信機系統図
■ フィルターの工夫
送信機系統図に示す「L」がローパスフィルター,「C」がコモンモードフィルター,「T」がチューナーです.
チューナーはこの場所に必ずいれます.何故か,それはローパスフィルターを正常に働かせるためには入出力のインピーダンスを50Ωにしておく必要があるからです.
系統図には書いていませんが,エキサイターIC-756ProⅢのオートチューナーはOFFにし外付けで八重洲のFC-700チューナーを入れています.
  これには二つの意味があって,1つは30L-1の入力インピーダンスをFC-700で調節しワークバンドに対応させる目的と,30L-1をチューニングしている最中にProⅢが勝手に再チューニングを始めないようにするためです.

■ 500W以上で使えるアンテナの整備チューナー
  ハイパワー用のアンテナを整備します.
キュピカルクワッドはコイルもなくフルサイズですので問題ありません.ローバンドのアンテナが悩ましいのです.
対策としてハイパワーに使えるMFJのチューナーを使って平衡アンテナ(ダイポールに似ているが,アンテナ自体は同調していない)を使う事にしました.

■ アース対策
  私の場合,シャックが二階にありますので,アースは保安用のアースと高周波用アースに分けます.アース
保安用アースは1m置きにフェライトバーの高周波チョークを入れ,コモン・モード電流が流れないようにして接地しました.

カウンターボーイズ  高周波用はもうこれしかありません.クラニシのVC-519カウンターポーイズです.

バンド毎にチューニングが必要ですが,時間ができたら高周波電流計を利用して各バンド専用のカウンターポーイズを作りたいと思います.

ハイパワー局の申請書です.
申請書
① 変更申請書 この申請書で空中線電力を変更します
② 工事設計書 リニアーの電圧や電流 真空管の場合は真空管の規格書も提出する必要がある
③ 送信機系統図にリニアーアンプ Collins 30L1 と記入
④ 電波保護指針に基ずく基準値に適合していることの証明書 11ページに渡り隣の人が受ける電磁波を計算,図面も作成
⑤ 電波障害調査 向日三軒両隣を訪問しサインを頂いた
⑥ 放送の受信状況の説明 テレビ・ラジオ局までの方位と距離の計算はハムログの機能を利用して計算
⑦ 他の無線局の設置状況を示す図面
等を提出しました

 

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